Last updated :2005/04/07
船の仕事
●航海士の仕事時間は?
●航海中の仕事は?
●好きでない海域
●沿岸での航路
船の生活
●陸酔い(おかよい)
●風呂は?
●病気になったらどうするの?
●宿泊代、食事代はタダ
●航海中のお楽しみは?
●唯一ひそかな楽しみ
●買出し
●カウントダウン
●飲み水
●法律
●一番気が抜ける時
船の設備
●六分儀
●娯楽室
●公文書
●チャート(海図)
●アンカー(錨)
●国旗
●ブリッジ
●ウイング
●天気図
●レーダー
練習船
●卒業旅行は練習船
●日本丸に乗船
●日本丸での揺れ
●成人式
その他
●映画について
●国名
船の仕事
航海士の仕事時間は?
航海中⇒3等航海士の場合、8時から12時が勤務時間帯です、日に2回で計8時間勤務です。
乗っている間は殆ど休みは無しです(たまに船長が月に1回程度代わってくれますが)
入港中、出港中⇒フル勤務
荷役中⇒荷役時間の半分が受け持ち、オールナイトの場合は半日になります
荷役は色々な人の出入りもあり、一番忙しい時となります
航海中の仕事は?
8−0ワッチ(ハチゼロ/8時〜12時)⇒当直の事です
15分前にはブリッジ(船橋)に上がり引継ぎに備えます
引継ぎ中でも常に二人とも前を向いています、もちろん伝える事は全て頭に入れておきます
※夜間のブリッジに、明かりは後方のチャートルームのみです
担当は航海士の私(三等航海士⇒3/O)と操舵手(QM)の二人です
※3/Oはサードオフィサー、略してサードッサー QMはクオーターマスターです
殆ど前を向いて(レーダーも含めて)いるのが仕事です、後はチャートに位置を入れたり
します、広い海の場合は割りと楽ですが、陸地付近や漁船が多いところはかなり神経を使います。
六分儀で太陽の高度を図り、昼12時の位置を決めます。この位置により船長(キャプテン)は次のコースを設定します。(今は衛星で位置を決めているのでは?/昔は当てにならなかったが)
好きでない海域
航行して一番神経を使うのは、漁船が多数いる海域です(あまり好きでありません)
特に網を引っ張っている船は2隻一組で動き、急には曲がれないので動きを見ながら航行します、一度どうしても進路が取れなかった時は反転したこともありますヨ!!
場所として中国沿岸を航行したときは延々と漁船が連なっていた、日本ではこの伊勢湾がきつかったです
沿岸での航路
浅い所や狭い所はここからここまで、○ノット以内で航行しなさいと航路として設定しています、日本内の全ての航路は全て丸暗記していました(試験にも出ていたし・・・)
航路は全てブイによって区切られています、夜は灯台と同じように、どのように光るか分かっているのでよかったですが、雨や霧ではなかなか見分けはしにくいです、そので登場するのはレーダです、昔は性能が悪かったのである程度なれないと難しかったけど、これがないと本当に走れません(通常は壊れてもいいように2台はありますヨ!)
船の生活
陸酔い(おかよい)
船に乗る時に「船酔い」という言葉があるように、船員にも「陸酔い」という言葉があります。
船の生活は波で常にゆれている状態で、更にエンジンの上に居住区があるのでその振動も加わり、動いている状態が長く続きます。
その結果、久しぶりに陸(おか)に上がると体調が悪くなる状態があり、それを「陸酔い」と言います。
・・・と言っても、殆どの船員はかからなく、かかっても一定時間過ぎたら直りますよ!
風呂は?
蒸気で風呂を沸かしますが、とうぜん時化(しけ)の時はこぼれますので、シャワーだけとなります。
時化のシャワーは何かにつかまっていないと飛んでいきます、たいへんですよ。
病気になったらどうするの?
医者は客船以外では殆どいません、だれが代わりになるか・・て
それは私(3等航海士)が兼務していました
(昔からお医者さんごっこが好きだった?...かな)
薬を渡すだけが多かったが、でもたまにお尻に注射をしていましたヨ(何の病気かな?)
宿泊代、食事代はタダ
それは船に乗っていればタダ、通勤ラッシュもない、そのかわり休み無し・・・(;_;)
お酒は免税なのでメチャ安、おつまみ沢山買っても月1万円はかからない (~o~)
航海中のお楽しみは?
お酒・TVゲーム・読書・マージャンかな
唯一ひそかな楽しみ
海は見渡す限り水平線がありますが船の一部は必ず見えます、見えない所は?
そうです、船で一番高いところがあります、ブリッジのマストです
広い海で十分に回りを確認してから、レーダーの回転を止めQMに後を頼み、一人マストに登っていくのです。(昼間は殆どQMがいないので夜となります)
一番上にいくと船は自分の真下だけです、見渡す限り水平線です、しかも空は満天の星空、感無量の気持ちになります、それと地球はほんとに丸いんだなと感じます。
買出し
船では、船の食料品と一緒に船員の食料品(酒・食品/もちろん実費)も買って頂けるので買出しは少ないですが、やはり色々な国の食べ物を楽しみたいので直接行って買うのがあります
好きなのはチーズとかハムが多かったです
カウントダウン
新年ジャストに汽笛を鳴らします約1分ぐらいです、停泊中は危険がないのでいつまでも鳴らしている船がありました。(停泊中に荷役は無かったので、みんなで酒を飲んで祝いました)
飲み水
船の専用タンクに積んでいます、腐るといけないので塩素を入れて常に消毒をしています
入れすぎるとプールの水みたいにカルキ臭いです(三等航海士の仕事です)
飲み水以外の雑用水はボイラーで海水から作ります、洗濯・風呂などに使っています
法律
船の世界で法律は「船長」です、航海中は絶対服従です、何かあった時に一つにまとまらなければ乗組員全員が危険となります(但し、停泊中ではその国と協力して解決していきます)
一番気が抜ける時
なんていったって船を降りる下船の時です、これでこの船から「おさらば」といった感じで責任感がいっきに無くなり、みように気が抜けます、それもそのはず、1年ぐらい毎日船・船・船と休みなしですから・・・
船の設備
六分儀
今は車にも付いているカーナビゲーションのGPS/衛星によって位置が分かりますが、当時の機器(ロラン等)は殆ど役にたたなかったので,もっぱら昔からある六分儀が利用されていました。
六分儀は太陽(星)の高度を精密にはかり位置を決定していきますが1回ではただの線です、時間をおいて2回目を計測すると線がクロスします、3回目で三角となり、その中央が船の位置となります
昼の12時に船の正確な位置を決定して、航海日誌に記録していきます、さらに船長は昼の位置から次の目標まで再度進路の微調整をします。
又、太陽以外に星や月も計測の対象となります、日没前に一番星を見つけ、水平線がまだ見えている間に数多く計測します(これはかなり得意です、元天文同好会だったので星の名前はバッチリです)
娯楽室
娯楽室にはいろいろありました、唯一タタミがある所で、マージャン室と兼ねています。
読みたい本は少なかったですが、マンガ本や小説もあり暇つぶしにはなっていました、それとビデオもありましたが、残念ながらVHSでなくベータ(β)でした(タイトルがすくなかったな〜・・・)
公文書
基本的には英文タイプライターでした、今ではパソコンでパチパチ打っていますが、昔は船で初めて打ったのが最初で、やはり基礎から覚えなければならないと思い、すぐにタイプライターの打ち方の本を買って覚えました(もちろん英文の教科書です)
会社でワープロをマスターするのが早かったのはその影響かな・・・
チャート(海図)
船にチャートは沢山あります、何枚と数えた事はないが管理するのは大変、主に2等航海士が管理していますが、よく手伝っていました
はやり海はいろんな国ともつながっているので、書き方は一緒です(あたりまえか)
暗礁を付け加えたり、灯台の位置変更などは何回も確かめながら修正します、船の命はチャートといった感じが良く分かります
アンカー(錨)
船を岸壁でなく、沖に停泊するときにアンカーを入れます
岸壁に停泊するのを待っていたり、時間調整(深夜着の場合)でアンカーをいれたりします
学校でアンカーが砂に埋まる所を実際に実験でいろいろと見ていますので、海底の状態によってどうなるかは手に取るように分かります
国旗
どこの国に行ってもいいように全ての国旗はそろえてあります(海な無い国は除きます)
畳み方も仕舞い方も一定です、なぜかというと、すばやく確実に上げる為の一工夫がしてあります
※旗を畳んだまま上げる事も出来ます(これは強風の時の上げ方です)
やり方は・・・これは各自考えて下さい(分からない方はメールにて問い合わせて下さい)
ブリッジ
日本語で船橋、飛行機で言えばコックピット、いわゆる船の操縦する所です
ブリッジは船の頭脳でもあるので、電気系統がダウンしても最低限の連絡が取れるようになっています。
その一つは「ボイスチューブ」、エンジンルームまで管が通っていて、大声で話せばちゃんと聞こえます、又、汽笛もロープを引っ張れば鳴ります(他船等の連絡に使います)
ウイング
ブリッジの横に船側まで伸びている所です、両方にコンパスが付いていて、沿岸を航行する時に灯台の方角を取るとき、船を接岸するときに頻繁に使います
ウイングは外にあるので、航行中は前から風が来て吹き飛ばされると思われますが、羽根みたいな物がウイングの手すりあたりに付いていて、風を上に上げ、空気の壁を作るので、その中にいるときは安全です
天気図
天気図は航海をする上で重要です、FAXで頂くのですが画像はあまり良くなかった。しかし、それなりに役に立っていました。特に台風や低気圧の位置です、当然航路上にあれば避けていかなければなりません、今はもっと鮮明な画像で予測もしっかり分析してあると思われます
レーダー
視界が悪い時に重宝なのはレーダーです、最悪レーダーのみで航行したこともあります
原理は、電波を発して障害物で跳ね返った電波を映像で捉えます。昔は画面にペンで他船をマーカーして速度と方向を出していましたが、最新式はコンピューターが処理して瞬時に画面に現れる
練習船
卒業旅行は?
世界一周です
といっても、1年間船での実習訓練の中ですが
半年が帆船で、その跡の半年が汽船です。また、その半分づつが国内、と海外です
順を追っていくと、3ヶ月間日本丸で国内、その後の3ヶ月でハワイ往復、船を代わって、3ヶ月国内、最後に3ヶ月で世界一周をします(最後の世界一周の確率は3分の1です/3隻あってそれぞれ行き先が違っている)
日本丸に乗船
現在横浜に係留されている日本丸に乗っていました、今走り回っているのは二世です
写真でみるとすぐわかります、初代に船首像はなく、甲板もブリッジ前に一段下がった所(ウェルデッキ)があり、2世のように船首から船尾まで甲板(デッキ)は一直線でありません
日本丸での揺れ
日本丸はよく揺れました、マストに帆がついているので嵐の中ではほんとによく揺れました
船の横の傾きを調べる傾斜計があり(振り子のような物)35度以上計れないように出来ていていますが、嵐の時によく35度の所でしばらく止まり、反対側に行ってもまた止まる・・・ということは35度以上に傾いていることです。
そういう時によく甲板で滑って遊んでいます(かなり危険です、そのまま落ちる可能性がありますが)
日本丸で一番好きな所はマストの一番上です、帆(セイル)を畳んだり広げたりする時に登りますが、なんたって上の方は見晴らしがよいです。(高所恐怖症の方は絶対むりです)
成人式
丁度練習船の上でした。式典に行きたかったので今度こっそりと行ってみようかな?
その他
映画について
いつも映画などで船の映像が出てくると、実際にありえない場面も多々あります
特に夜の航海でブリッジがなぜ明るいのか?明るいと絶対に外(水平線)は見えません、
又、進行方向の窓は必ずカーテン(時化の場合は完全閉鎖)などで蓋でをします
荷物も縛っていない場合が多いですね・・・(色々とあるがこのぐらいに)
国名
日本で呼ばれている名前と実際の国名は少し違っています、現場に行って実際の国名を覚えると身体に染みついてしまって、日本に帰ってからピントこない場合があります
【例】 オランダ⇒ネーテルランド トルコ⇒トルキー ギリシャ⇒グリーク などです
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