航海計器 六分儀の使い方


Last updated :2005/04/07
    

【六分儀】

天体の観測によって位置の線(Line of Position)を求める方法の一つとして六分儀による天測があります
六分儀の名称は、フレーム中心角が円の1/6の60度であることに由来します


【原理】

原理は光学上法則に基づいています
(1)鏡面に対して入射角は反射角に等しい
(2)光線が同一平面内において2個の平面鏡によって連続して2回反射されるとき、最初の入射角と最後の反射光線とのなす角は両鏡の交角の2倍である
※これはフレーム角が60度であっても120度が測定出来ます

【用途】

1.天体の高度測定
2.山の高さ測定
3.水平の2方向の角度
※殆どは天体の高度測定に用いられます

【名称】

名称の説明

【説明】

フレーム
各種部品を取り付ける儀枠をいいます、外周の弧には精密なウォーム歯車が切られており、そのピッチは実測角の1度に相当し、弧の表面には実測角1度に相当する目盛りが0度から120度まで刻み込まれています
目盛りの読み取りは弧上目盛りで度数を、マイクロメーターで分位を読み、1分以下は目測によります
※1度は60分にあたります、 23°45.6’は23度45.6分になります

インデックスバー
外端にウォーム歯車着脱レバーがあり、これをつまめばウォームは歯車からはずれ、インデックスバーは自由に動きます、レバーを放すとインデクスバーは固定されるが、マイクロメーターを回転させることにより微動します

マイクロメーター
分位を読み取ります、1周すると1度にあたります
左手の親指と中指で回転させます
機種によって照明ボタンがあります

動鏡
インデクスバーの回転の中心に取り付けてあり、もちろんインデックスバーと一緒に動きます
観測する天体を最初に反射させるところです

水平鏡
儀面に垂直に固定され、儀面に近い半分は鏡で、動鏡から反射された光線を再反射して望遠鏡に導きます
また他の半面は透明なガラスで水平線を見ます

シェードグラス
目を保護するためのサングラスです
動鏡の前のシェードグラスは観測する天体によって変えます
水平鏡は水平線が光って見えにくい時に使用します

観測用望遠鏡
天体を観測する望遠鏡です
太陽を観測する場合は太陽直下の水平線に向けます、星の場合はシェードグラスを全て外して初めに星に向けます

測定姿勢

立ち方
足を肩幅ぐらいに広げ、どちらかの足を前に出して船の揺れに対応します

持ち方
右手にハンドルを握ります
左手で各種操作をします
1.シェードグラスをセットします
2.ウォーム歯車着脱バーでインデックスバーを自由に動かします
3.人差し指を儀枠の外周の弧に当て、親指と中指でマイクロメーターを回します

高度測定方法

測定方法
<太陽、月>
  1. 動鏡の前のシェードグラスを暗めにセットします、水平線が明るい場合は水平鏡の前のシェードグラスも暗くします
  2. 目測で太陽(月)の概略高度を測り、インデックスバーを合わせておきます
    ※腕を前に出して、親指と人差し指を目いっぱい広げた広さが約20度です
  3. 儀を垂直にして望遠鏡の視線を太陽(月)直下の水平線に向けます
  4. 再度インデックスバーを動かして望遠鏡の視野内に太陽(月)を捉えます
  5. マイクロメーターを回して太陽(月)を視野内に保ちながら、望遠鏡を軸に静かに左右に振ります
  6. 水平線と太陽(月)の下部を合わせた時の高度及び時間を測定します

<星> 
  1. シェードグラスを全て外し、インデックスバーを0度0分に合わせます
  2. 望遠鏡の視野に測定する星を捉えます
  3. 星の映像を保ちつつ、インデックスバーのレバーをつまみ、静かに前方へ移動させながら望遠鏡の視野を徐々に降下し、やがて星の直下の水平線上まで下ろします
  4. マイクロメーターを回して星を視野内に保ちながら、望遠鏡を軸に静かに左右に振ります
  5. 水平線と星を合わせた時の高度及び時間を測定します

儀を左右に振ると左図のように見えます



計測のタイミング


二人の場合

一人が天測、一人が時間測定
掛け声の一例(練習船で習得)
 測定直前・・・「よ〜い」
 測定時・・・・・「て!」 

一人の場合
左手にストップウォッチを持って計測します
測定直前に、マイクロメーターを少し早めに回して、人差し指は弧に置いたまま、天体と水平線が合ったらストップウォッチを押します
※ストップウォッチは予め船内時計の00秒にスタートして、測定の時に止めます

【注意事項】

  1. 眼高(水面からの測定する高さ)は出来る限り高い方が良いです
    ※もやが降りてきた時は、眼高の低い方が水平線が見えて良い場合があります
  2. 儀を持つときはハンドルかフレームを持つように、決して鏡や弧の部分では持たないようにしてください
  3. 精密計器なので、誤差修正は定期的に実施してください
  4. 月は誤差が大きいので、なるべく測定する天体から外してください

六分儀原理補足  船舶位置決定法
By 六分儀

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